堀家文書解題

 村上藩の家老を勤めた堀主膳家の文書である。 村上藩主堀直寄からの書状が含まれており、近世初頭の藩政を知ることのできる史料群である。 総数は148点で、内56点が新潟県文化財指定を受けている。
 この文書は昭和35年新潟大学人文学部が購入し、後に附属図書館に移管され、現在、中央館特殊資料室で保管している。 従来から仮目録は存在したが、今回、画像データベースを作成するにあたって、目録を再編し検索が可能となった。
 堀主膳は、藩主堀丹後守直寄とともに元和4年に村上に入封し、家老職として藩政全般を統括している。 江戸詰めの藩主直寄から主膳に宛てた書状からこの時期の村上藩政を知ることができる。 寛永16年直寄の死後、村上藩は孫の直定(千介)が十万石を相続し、次男直時が三万石を分封されて安田藩(後の村松藩)を領知するところとなる (資料122) 。ところが直定も寛永19年わずか7才で没した (資料72) ことによリ、村上堀家は改易されることとなった( 資料38 , 資料39 , 資料144 )。家臣の多くが近隣の村松藩や新発田藩へ召し抱えられたが、堀主膳は岸和田藩へ仕官した。 (資料92) 。岸和田藩と村上藩は、堀直寄の娘が岸和田藩主岡部内膳正行隆に嫁しておリ,姻戚関係にある。 堀主膳は寛永21年岸和田へ移り (資料64) 、堀主膳家の子孫は幕末までそのまま岸和田藩の家臣として存続した。
 このような事情から、堀家文書には、村上藩時代のものと岸和田藩時代のものとが含まれる。 したがって、文書の組織体として「村上藩」「岸和田藩」「家政」という3項目を設けた。 これは分類フィールドから検索が可能である。
 なお、「堀家文書」という名前の文書は、新潟市郷土資料館などにも存在する。 村上堀氏の全容を知るには他の資料群も参照されたい。

参考文献

[堀家文書の活字翻刻が掲載されている資料集等]
  • 『村上市史』資料編2 (村上市 , 1992)
  • 『新潟県史』資料編8 (新潟県 , 1980)
  • 『人文科学研究』新潟大学人文学部 26号 (新潟大学人文学部 , 1964.3)
  • 『かみくひむし』59,60号 (かみくひむしの会 , 1985.10,1986.1)
    *『村上市史』『人文科学研究』『かみくひむし』の掲載ページについては、データベース中の各目録の備考に記入したので参照されたい。
[堀家に関連する自治体史]
  • 『新潟県史』(新潟県 , 1980-)
  • 『村上市史』(村上市 , 1989-)
  • 『村松市史』(村松町教育委員会 , 1976-)
  • 『岸和田市史』(岸和田市史編さん委員会 , 1976-)
[堀家文書を利用した研究]
  • 堀直敬『堀家の歴史』(新人物往来社 , 1971.7)
  • 小村弌「近世前期の村上藩制と村松地方史の諸問題」(『村松郷土誌』創刊号 1975.3)
  • 小村弌「堀直時考」(『村松郷土誌』第2号 1976.3)

参考資料

村上堀氏家歴代藩主
受領名 通称 就任時期
直寄 丹後守 元和4.4-寛永16.6.29
直定 千助 寛永16.10.22-寛永19.3.1
*『藩史大事典』第3巻 (雄山閣 , 1987)より抜粋。
*堀家系図は整理番号75にあり


村松堀氏歴代藩主
受領名 通称 就任時期
直時 丹後守 七郎五郎 寛永16.10.22-寛永20.2.29
直吉 丹後守 左門 寛永20.5.3-延宝4.10.25
直利 丹後守 左京 延宝4.12.21-正徳1.9.16
直為 左京亮 靭負 正徳1.9.16-元文5.2.19
直尭 丹後守 三十郎 元文5.2.20-天明5.10.25
直教 丹後守 三十郎 天明5.12.22-寛政7.10.6
直方 左京亮 三十郎 寛政7.10.6-享和2.4.9
直庸 丹後守 三十郎 享和2.4.9-文政2.11.24
直央 丹後守 貞五郎 文政2.11.27-安政4.12.20
直休 丹後守 三十郎 安政4.12-万延1.7.12
直賀 左京亮 栄之助 万延1.12.15-明治1.12
直弘 貞治郎 明治1.12-明治4.7.14
*『藩史大事典』第3巻 (雄山閣 , 1987)より抜粋。


岸和田岡部氏歴代藩主
受領名 通称 就任時期
宣勝 美濃守 左京 寛永17.9.11-寛文1.10.27
行隆 内膳正 竜千代 寛文1.10.27-貞享3.8.25
長泰 備後守,美濃守 宣就,竜千代 貞享3.8.25-享保6.9.22
長敬 内膳正 致清,宣隆 享保6.9.22-享保9.7.25
長著 美濃守 長富,豊次郎 享保9.9.25-宝暦6.5.10
長住 内膳正 満弥,長茂 宝暦6.5.10-安永1.4.23
長修 美濃守,駿河守 長佶,長恭 安永1.4.23-安永5.8.18
長備 美濃守 富二郎 安永5.8.18-享和3.11.20
長慎 美濃守 千弥,左膳 享和3.11.20-天保4.11.24
長和 内膳正 直吉,弥次郎 天保4.11.24-嘉永3.9.24
長発 美濃守 武吉,武之丞,弥次郎 嘉永3.11.24-安政2.2.14
長寛 筑前守 第二郎 安政2.2.15-明治1.12.28
長職 美濃守 弥次郎 明治1.12.28-明治4.7.14
*『藩史大事典』第5巻 (雄山閣 ,1987)より抜粋。



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