神皇正統記解題

 南北朝への分裂に接した北畠親房が、神話時代以来皇統が正しく続いてきたことを明らかにすべく、代々の皇位継承のさまを記したもの。 新潟大学本は、日本古典文学大系(岩波書店)の解説でこれを紹介した岩佐正氏によって、興国修訂本系統の一種、脇坂本系統中の一本に 分類される。
 大本二冊(27.2p×19.5p)。題簽に「神皇正統記 乾(坤)」と墨書。
 「此記者」で始る前書き半丁に、延元四年(1339)の初稿に、興国四年(1343)修正を加えたと『神皇正統記』の成立について記すが、 この本自体は近世以降の書写ではないかと思われる。前書きの裏半丁に「西周釣雪子」という署名がある。 上巻(乾)には第五十七代陽成天皇まで、下巻(坤)には第九十六代後村上天皇までの事績が記される。
 本文には振仮名が多く振られ、頭注・脇注などの形で、校訂を意図した書入れがある。 また、奥書はなく、その代り、本文の後に『神皇実録』などから、主に三種の神器に関する二丁分の記述が引用されている。

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