Webサイト『AIが解説!新潟大学の研究』を公開!-AIが閲覧者の属性に合わせて分かりやすく解説します-
新潟大学附属図書館・新潟大学ビッグデータアクティベーション研究センターは、6月10日、Webサイト「AIが解説!新潟大学の研究」(https://repolab.lib.niigata-u.ac.jp/)を公開しました。
このWebサイトは、新潟大学の研究成果の発信・利活用を目的として、新潟大学の研究者が執筆した論文のうち約850件(2025年6月現在)をもとに、生成AIで大人向け、中高生向け、小学生向けの3種類の解説文を作成し、それらを閲覧・検索できるようにしたものです。
例えば、「異なる密度の流体が混在する状況で発生する浮力噴流とその交換流現象」といった専門的な研究も、小学生向けには「この研究では、重さの違う液体が混ざるとどうなるかを調べました。特に、液体が吹き出すときの流れ方を見ています。」と解説され、親しみやすく紹介されています。
この取組は、学術研究になじみのない一般の方や、大学での研究内容を知りたい中高生、難しい研究に触れる機会の少ない小学生にも向けて、新潟大学の研究成果をわかりやすく、親しみやすい言葉で発信することを目的としています。また、新潟大学学術リポジトリ(注1)で公開されているオープンアクセス(注2)の研究成果を、より広く活用するための実証的な試みでもあります。
本取組は試行的なもので、生成AIによる不正確な表現(いわゆるハルシネーション)が生じることもあります。そのため、機械的な内容の確認と人の目によるチェックを組み合わせ、正確で読みやすい解説を心がけています。誰もが安心して読める質の高い解説文の提供を目指しています。
このような生成AIによる研究成果の発信・活用は国内における先行事例の一つであり、特に誰にとってもわかりやすいような3段階の解説文を生成し発信するという点で、独自性の高いアプローチをとっています。オープンアクセスコンテンツの利活用、研究成果の社会還元、科学教育の未来という観点からも、今後さらに注目が高まることが期待されます。
新潟大学は昨年度(2024年度)、「令和5年度文部科学省人工知能等社会実装研究拠点事業費補助金(オープンアクセス加速化事業)」に採択され、その助成を受けて、このWebサイトを株式会社BSNアイネット(本社:新潟県新潟市、代表取締役社長:南雲 俊介)とともに開発・構築しました。
新潟大学では、今後も研究成果のオープンアクセスを推進するとともに、様々な形で研究成果の発信・利活用に取り組むことで、社会とのつながりを深めてまいります。
注1:新潟大学学術リポジトリ(https://niigata-u.repo.nii.ac.jp/)
新潟大学の研究の成果をまとめて保存し、誰でも無料で見られるようにする仕組み
注2:オープンアクセス
論文やデータなどの研究成果を、誰でも無料で読めるようにすること
【「AIが解説!新潟大学の研究」へのアクセス方法】
新潟大学公式Webサイトの「学術成果の公開(オープンアクセスへの取組) | 研究・社会連携 – 新潟大学」(https://www.niigata-u.ac.jp/contribution/openscience/)にリンクを掲載しています。