新潟大学旭町学術資料展示館

常設展示

常設展示では、新潟大学における学術研究の歴史を伝える貴重な資料を展示・公開しています。

自然・技術の歩み(1階常設展示室)

新潟大学の前身である旧制学校時代に使用された実験機器のほか、歯科医療の歴史をたどる資料や県内のジオパークに関連する資料などを展示しています。また、災害・復興科学研究所による国内外の自然災害についての調査成果も紹介しています。

理学部「新潟のジオパーク」

「ジオパーク」とは「大地の公園」を意味しており、地球の鼓動を感じ、大地の上に広がる動植物や生態系、そして人間の暮らしの関わりを学ぶことができる場所です。新潟県内には糸魚川・佐渡・苗場山麓3つのジオパークがあります。各ジオパークの特色を化石や岩石などを展示して紹介しています。

災害・復興科学研究所「新潟の自然災害」

新潟大学では、災害・復興科学研究所を拠点に、地域に密着した自然災害の研究に取り組んでいます。県内で発生した地震の被害と地盤の関係についての展示を行っています。

歯学部「歯科医療の歴史」

歯科医療の近代史として、江戸時代から昭和初期における歯の治療や口腔衛生に関する資料を紹介しています。歯茎の部分が木で作られた入れ歯は、江戸時代から明治のものと考えられていますが、前歯には天然の歯が使われるなど精巧に作られており、貴重な資料です。その他にも、お歯黒用具や、お歯黒をした女性の希望で使われていた黒い色の人工歯、大正の末から昭和初期の歯科医学書と口腔衛生に関する患者さんへの説明図など、当時の歯科医療を垣間見ることのできる資料がそろっています。

工学部・人文学部(心理学)「近代の科学・技術の礎」

旧制学校時代の実験器具の整理を行うことで、科学・技術教育の原点を紹介しています。展示品には、レントゲンが作ったX線管球やキュリー夫人が放射能の研究に使った象限電気計など歴史的機器が多数あります。また、記憶実験器(実験心理学)やカムなどの機械要素部品等も展示しています。これらの器具は当時の職人技が見て取れ、直接触れることで、新たな感動が呼び起こされます。

人類史(2階常設展示室)

医学部の故・小片保教授が蒐集した日本有数の古人骨標本「小片コレクション」と、県内を中心とする遺跡から出土した考古資料を展示し、旧石器時代から現代にいたるまでの人類の歴史を紹介しています。

医学部・人文学部「小片コレクション」と「人類の変遷」

医学部の故・小片保教授が収集した1,800体にのぼる人骨標本は日本有数のコレクションで、そのうち縄文人骨が約400体、古墳人骨が約300体あるのが特徴です。中でも、佐渡市堂の貝塚第6号人骨は新潟県指定文化財となっています。人骨の頭部付近には鉄石英と蛋白石製の石鏃が13本、胸部付近からはイタチザメの歯を加工した装飾品が1点出土しており、被葬者の地位がうかがえます。

「人骨の変遷」コーナーでは、実物資料で縄文から弥生・古墳・中世・近世・現代の各時代の標本を紹介しています。また、新潟県内初出土の壷形埴輪などの新潟県内の資料を中心に、旧石器時代から縄文・弥生・古墳時代に至る原始・古代の資料も紹介しています。「体験コーナー」(現在休止中)では、貝塚の貝殻、黒曜石原石、木製品、製錬滓などに手を触れてみることもできます。